国際連合の旗の意味と由来
国際連合の旗について
国際連合(UN)の旗、通称国連旗(UN Flag)について、そのデザインに込められた「完全なる中立と平和」への執念、当初のデザインにあった「ある国へのえこひいき」の修正、そして地図から消された大陸の秘密まで解説します。
1. デザインと形の意味:戦争の「赤」へのアンチテーゼ
「国連ブルー」と呼ばれる明るい水色の背景に、白色の国連エンブレム(世界地図とオリーブの枝)が中央に描かれています。
- 国連ブルー(水色の背景)と白 この2色は国連の公式カラーです。明るい青(水色)が選ばれた最大の理由は 「戦争を象徴する色である『赤』の正反対の色だから」 です。国境を越えた「平和」と「安全」を表現するために、世界中の空と海に共通する色が選ばれました。
- 世界地図(正距方位図法) 北極をど真ん中の中心に置き、そこから南へ向かって広がるように描かれた「正距方位図法(せいきょほういずほう)」の世界地図です。 これは 「世界のすべての国々が、国連の中心的な目的(平和)のもとに平等に集まっていること」 を視覚的に表現しています。
- 2本のオリーブの枝 地図を下から包み込むように交差しているのは、古代ギリシャから伝わる 「平和の象徴」であるオリーブの枝 です。世界全体を平和で守り抜くという国連の最大の使命を表しています。
2. 国連旗の歴史と由来:実は「アメリカ中心」だった初期案
この旗は、第二次世界大戦の終結が目前に迫った1945年、サンフランシスコで開催された「国際組織に関する連合国会議(国連創設会議)」のバッジとして作られたものが起源です。
① スパイ組織のプレゼン部門がデザイン デザインを担当したのは、アメリカの建築家オリバー・リンカーン・ルンドクィストと、デザイナーのドナル・マクラフリンのチームでした。彼らは当時、CIAの前身であるアメリカ戦略情報局(OSS)のプレゼンテーション部門に所属しており、会議の参加者がつけるための「丸いピンバッジ」としてこの図案を考案しました。
② 初期のデザインは「アメリカが真下(中心)」だった 1945年の最初のデザイン案では、現在の国連旗と地図の向きが異なっていました。会議の開催国・主催国がアメリカ(サンフランシスコ)であったため「アメリカ大陸が一番見やすいように、真下(6時の方向)に配置される」ように地図が回転させられていたのです。
③ 「えこひいき」の修正と公式制定(1946年〜1947年) しかし翌1946年、このエンブレムを国連の正式なマークとして採用する議論が行われた際、「国際連合たるもの、特定の国(アメリカ)を中心に据えるのは不公平だ」という指摘が入りました。 そこで「本初子午線(イギリスを通る経度0度の線)と国際日付変更線が、ど真ん中を垂直に貫く」ように地図を回転させる修正が行われました。これにより、ヨーロッパとアフリカが中央にきつつも、全体が地理的・政治的に最もバランスよく見える現在の配置が完成しました。 このエンブレムを水色の布の中央に配置したものが 1947年10月20日に正式に「国連旗」として制定 されました。
3. 地図に描かれていない「消された大陸」の秘密
国連旗の世界地図をよく見ると、地球上に確実に存在する「ある大陸」が描かれていません。 それは 南極大陸 です。
国連旗の地図は、北極を中心として 南緯60度 の緯線でスッパリと切り取られるようにデザインされています(外側を囲む5つの同心円の最後が南緯60度です)。 これには明確な理由があります。国連は「人類の平和と安全」を守るための組織であるため「人間が定住していない(恒久的な国家が存在しない)南極大陸を描く必要はない」と判断されたからです。 また、デザイン上も南緯60度以南を描こうとすると、正距方位図法の特性上、南極大陸が外周に沿って巨大な白いリングのように引き伸ばされてしまい、見栄えが悪くなるという実用的な理由もありました。
4. 知っておきたい豆知識(トリビアと絶大な影響力)
- ソマリア国旗への「愛」ある影響 アフリカ東部の「ソマリア」の国旗は、水色の背景に真っ白な星が1つ描かれたデザインです。この水色は国連ブルーと全く同じ色です。 ソマリアは第二次世界大戦後、国連の信託統治領を経て独立を果たしました。その際、「我々の独立を支援し、導いてくれた国際連合への深い感謝」を示すため、国旗のベースカラーにそのまま国連旗の水色を採用したのです。
- 国連機関の旗はすべて「兄弟デザイン」
私たちがニュースでよく目にする国連の専門機関の旗は、すべてこの国連旗の「水色とオリーブの枝」をベースに作られています。
- WHO(世界保健機関):国連旗の世界地図の前に、医療の象徴である「アスクレピオスの杖(蛇が巻き付いた杖)」が重なっている。
- UNICEF(国連児童基金):世界地図の代わりに、母親と子供のシルエットがオリーブの枝に包まれている。
- UNESCO(国連教育科学文化機関):世界地図の代わりに、ギリシャのパルテノン神殿(柱がUNESCOの文字)が描かれている。
- 商業利用の「絶対禁止」 国連旗の使用については「国連旗規程(UN Flag Code)」という非常に厳格なルールが存在します。国連の完全なる中立性を保つために 国連旗や国連エンブレムを企業の広告、商品のパッケージ、商業目的のデザインに使用することは、いかなる理由があっても一切禁止 されています。
- 国連ブルーの厳密なデジタル化(2020年) 長らく「スモークブルー」や「ライトブルー」などと呼ばれ、メーカーによって色合いに少しバラつきがあった国連ブルーですが、2020年に国連はブランドガイドラインを刷新し、公式の青色を Pantone 2925 C(非常に鮮やかでクリアなブルー) に厳密に統一しました。デジタルの時代にあっても、世界中どこで見ても同じ「平和の青」が発信されるようになっています。
以上のように、国際連合の旗はただの世界地図ではなく特定の国を特別扱いしない「政治的バランスの極致」であり、戦争の血の赤を否定する「平和の青」と「オリーブ」によって人類の究極の理想を1枚の布に定着させた旗なのです。
素材について
国際連合(UN)の旗、通称国連旗(UN Flag)について、そのデザインに込められた「完全なる中立と平和」への執念、当初のデザインにあった「ある国へのえこひいき」の修正、そして地図から消された大陸の秘密まで解説します。
1. デザインと形の意味:戦争の「赤」へのアンチテーゼ
「国連ブルー」と呼ばれる明るい水色の背景に、白色の国連エンブレム(世界地図とオリーブの枝)が中央に描かれています。
- 国連ブルー(水色の背景)と白 この2色は国連の公式カラーです。明るい青(水色)が選ばれた最大の理由は 「戦争を象徴する色である『赤』の正反対の色だから」 です。国境を越えた「平和」と「安全」を表現するために、世界中の空と海に共通する色が選ばれました。
- 世界地図(正距方位図法) 北極をど真ん中の中心に置き、そこから南へ向かって広がるように描かれた「正距方位図法(せいきょほういずほう)」の世界地図です。 これは 「世界のすべての国々が、国連の中心的な目的(平和)のもとに平等に集まっていること」 を視覚的に表現しています。
- 2本のオリーブの枝 地図を下から包み込むように交差しているのは、古代ギリシャから伝わる 「平和の象徴」であるオリーブの枝 です。世界全体を平和で守り抜くという国連の最大の使命を表しています。
2. 国連旗の歴史と由来:実は「アメリカ中心」だった初期案
この旗は、第二次世界大戦の終結が目前に迫った1945年、サンフランシスコで開催された「国際組織に関する連合国会議(国連創設会議)」のバッジとして作られたものが起源です。
① スパイ組織のプレゼン部門がデザイン デザインを担当したのは、アメリカの建築家オリバー・リンカーン・ルンドクィストと、デザイナーのドナル・マクラフリンのチームでした。彼らは当時、CIAの前身であるアメリカ戦略情報局(OSS)のプレゼンテーション部門に所属しており、会議の参加者がつけるための「丸いピンバッジ」としてこの図案を考案しました。
② 初期のデザインは「アメリカが真下(中心)」だった 1945年の最初のデザイン案では、現在の国連旗と地図の向きが異なっていました。会議の開催国・主催国がアメリカ(サンフランシスコ)であったため「アメリカ大陸が一番見やすいように、真下(6時の方向)に配置される」ように地図が回転させられていたのです。
③ 「えこひいき」の修正と公式制定(1946年〜1947年) しかし翌1946年、このエンブレムを国連の正式なマークとして採用する議論が行われた際、「国際連合たるもの、特定の国(アメリカ)を中心に据えるのは不公平だ」という指摘が入りました。 そこで「本初子午線(イギリスを通る経度0度の線)と国際日付変更線が、ど真ん中を垂直に貫く」ように地図を回転させる修正が行われました。これにより、ヨーロッパとアフリカが中央にきつつも、全体が地理的・政治的に最もバランスよく見える現在の配置が完成しました。 このエンブレムを水色の布の中央に配置したものが 1947年10月20日に正式に「国連旗」として制定 されました。
3. 地図に描かれていない「消された大陸」の秘密
国連旗の世界地図をよく見ると、地球上に確実に存在する「ある大陸」が描かれていません。 それは 南極大陸 です。
国連旗の地図は、北極を中心として 南緯60度 の緯線でスッパリと切り取られるようにデザインされています(外側を囲む5つの同心円の最後が南緯60度です)。 これには明確な理由があります。国連は「人類の平和と安全」を守るための組織であるため「人間が定住していない(恒久的な国家が存在しない)南極大陸を描く必要はない」と判断されたからです。 また、デザイン上も南緯60度以南を描こうとすると、正距方位図法の特性上、南極大陸が外周に沿って巨大な白いリングのように引き伸ばされてしまい、見栄えが悪くなるという実用的な理由もありました。
4. 知っておきたい豆知識(トリビアと絶大な影響力)
- ソマリア国旗への「愛」ある影響 アフリカ東部の「ソマリア」の国旗は、水色の背景に真っ白な星が1つ描かれたデザインです。この水色は国連ブルーと全く同じ色です。 ソマリアは第二次世界大戦後、国連の信託統治領を経て独立を果たしました。その際、「我々の独立を支援し、導いてくれた国際連合への深い感謝」を示すため、国旗のベースカラーにそのまま国連旗の水色を採用したのです。
- 国連機関の旗はすべて「兄弟デザイン」
私たちがニュースでよく目にする国連の専門機関の旗は、すべてこの国連旗の「水色とオリーブの枝」をベースに作られています。
- WHO(世界保健機関):国連旗の世界地図の前に、医療の象徴である「アスクレピオスの杖(蛇が巻き付いた杖)」が重なっている。
- UNICEF(国連児童基金):世界地図の代わりに、母親と子供のシルエットがオリーブの枝に包まれている。
- UNESCO(国連教育科学文化機関):世界地図の代わりに、ギリシャのパルテノン神殿(柱がUNESCOの文字)が描かれている。
- 商業利用の「絶対禁止」 国連旗の使用については「国連旗規程(UN Flag Code)」という非常に厳格なルールが存在します。国連の完全なる中立性を保つために 国連旗や国連エンブレムを企業の広告、商品のパッケージ、商業目的のデザインに使用することは、いかなる理由があっても一切禁止 されています。
- 国連ブルーの厳密なデジタル化(2020年) 長らく「スモークブルー」や「ライトブルー」などと呼ばれ、メーカーによって色合いに少しバラつきがあった国連ブルーですが、2020年に国連はブランドガイドラインを刷新し、公式の青色を Pantone 2925 C(非常に鮮やかでクリアなブルー) に厳密に統一しました。デジタルの時代にあっても、世界中どこで見ても同じ「平和の青」が発信されるようになっています。
以上のように、国際連合の旗はただの世界地図ではなく特定の国を特別扱いしない「政治的バランスの極致」であり、戦争の血の赤を否定する「平和の青」と「オリーブ」によって人類の究極の理想を1枚の布に定着させた旗なのです。
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詳細データ・リンク
| 素材名 | 国際連合の旗 |
|---|---|
| キーワード | 国連, 旗, 国際連合 |
| 制作者 (Creator) | 3kaku-K |
| 著作権 (Copyright) | 3kaku-K |
| クレジット (Credit) | freesozai.jp |
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